他人の人生に心を奪われていませんか【コトバ書店:教養の棚】

教養
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🔄 最終更新日 2020年7月20日 by takara_semi

コトバ書店は心に響いた「ことば」を届けます。本記事では教育本や自己啓発本などの教養関連書籍の中から心に響いた「ことば」をピックアップして紹介します。琴線に触れたり、新たな発見があったりと、本は好奇心をいつも掻き立ててくれます。興味のあるものがありましたら、是非手に取ってみて下さい。きっと明日から世界が変わって見えることでしょう。

現代語訳 学問のすすめ

学んだら学んだ分だけ、すぐにそれを使う場所がある。

福澤諭吉, “現代語訳 学問のすすめ”, 筑摩書房(2009).

実学を重んじていた福澤諭吉らしい言葉です。福澤諭吉は、ご飯を炊くことも、風呂を沸かすことも学問だという一方で、学問の志は高く持ちなさいと言います。例えば同じ経済学でも、一家の世帯の経済は簡単で、社会全体の経済は難しくなります。そして、簡単に手に入るものにはそれほどの価値はなく、学問を深く追及することで初めて得られるような、手に入れるのが難しいことの価値は高くなります。学んだら学んだ分だけ使う場所があることは確かですが、難しい学問を避けることなく精進すれば、その対価として、より高い価値を得られるということを福澤諭吉は伝えてくれます。本書は、時の流れで風化することがなく、現代においても非常に実用的な人生の指南書であることは間違いありません。

道をひらく

素直さは人を強く正しく聡明にする。

松下幸之助, “道をひらく”, PHP研究所(1968).

素直でいることは、大人になるにつれ難しくなるように感じます。人や社会の嫌な側面を一度目にしてしまうと、素直でいることがばからしく思うことがあるからでしょう。しかし、そういう時こそ素直に生きるべきなのだと、本書は教えてくれます。人が素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生みます。しかし一方で、逆境に屈せず素直に生き抜いてきた人、順境に驕らず素直に伸びてきた人は、その過程は違えど、同じだけの「強さ・正しさ・聡明さ」が育まれます。逆境も順境も、その人に与えられた一つの運命です。ただその境遇に素直に生きる。他人の人生に心をうばわれ、悩み立ちすくんでいても、己の生きる道は閉ざされたままなのです。自分の道を素直に歩むことで必ず道が開けてきます。日本を代表する巨大企業であるパナソニックを一代で築き上げた稀代の経営者である松下幸之助の言葉だと考えると、より心に染み入る一節です。

幸せになる勇気

教育とは「介入」ではなく、自立に向けた「援助」

岸見一郎, 古賀史健, “幸せになる勇気”, ダイヤモンド社 (2016).

教育は相手の自立が目的です。これをはき違えていては、教育は成り立ちません。つまり教育は、生徒の人生に介入し操作や制御をすることが目的なのではなく、生徒が自らの足で社会へ出て自立した人生を送るための支援をすることが目的なのです。過保護でついつい他人の人生に深く介入してしまう指導者がいる一方、介入はしないものの自立の支援もしない指導者もいます。先生のおかげで合格できましたと言われる教育ではなく、生徒たち自身に自分の力で受験合格を成し遂げたと感じてもらう教育が、本当の教育なのでしょう。今一度「教育とは何か」という問題について、腰を据えて考え直すきっかけとなる一節です。

嫌われる勇気

他者との間に違いがあることは積極的に認めましょう。しかし、われわれは「同じではないけれど対等」なのです。

岸見一郎, 古賀史健, “嫌われる勇気”, ダイヤモンド社(2013).

他人の幸せを素直に喜べない自分に苛立ったという経験は、だれしも一度はあるでしょう。その原因は、対人関係を競争と捉え、 他人の幸せを「自分の負け」かのように考えてしまうためです。私たちが努力するのは他人と競争するためではありません。今の自分よりも前に進もうとすることにこそ、意味があるはずです。自分の前進に目を向け、他人の幸福を心から祝福するためには、対人関係は競争ではないことと、他者との違いは「優劣」ではないことを理解すれば十分です。どれだけすごい経歴の人が現れても、どれだけ価値観の違う人が現れても、ただただ「違いがあるだけ」そして「同じではないが対等」ということを、積極的に認めるのです。そうすることで、嫉妬で卑屈な気持ちになったり、怨恨に駆られ自分の道を見失ったりすることはなくなるでしょう。タイトルこそ「嫌われる勇気」とありますが、真の目的は、他人に人生を揺さぶられることなく、より多くの人が幸せになるための指針と勇気を与えてくれる内容であり、アドラー心理学の入門書として最良の一冊だと思います。

神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~

最も強い者が生き残るのではない。唯一生き残るのは、変化した者だ

水野敬也, “神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~”, 文響社(2016).

かの有名なダーウィンが残したとされる言葉に「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という一節があります。この言葉は小泉首相が演説で引用したことでも話題になりました。これは生物全般について言える普遍的な事実でしょう。特に複雑に入り組み急速な変化を遂げる人間社会で生き残るのは、その時代の変化に上手く対応できた者であることは明白です。IT化やグローバル化の波が押し寄せ、社会はそれらに柔軟に対応できる人材を欲しています。これからの日本社会を担っていく若者は、この時代の変化を的確に捉え、柔軟に「変化した者」として、世界で活躍して欲しいものです。




まだまだ紹介したい「ことば」が山積していますので、随時、本記事を更新していきます。興味のある方は是非、また本ページに立ち寄って下さい。新たな発見のきっかけとなれば幸いです。

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takara_semi
著者紹介 旧帝大学生。自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学など、および学際的な研究領域に興味があります。

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