3章:2次方程式

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🔄 最終更新日 2019年12月11日 by takara_semi

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中学1年では1次方程式の解き方を学びました。本章では、そこから少し発展させ、次数が「2」である2次方程式について、その解き方や利用方法について考え、方程式によって解決できる問題の幅を広げていきましょう。

2次方程式

本節では、2次方程式の解法について学びます。2次方程式とは、移項によって $ax^2+bx+c=0 (a \neq 0)$ つまり(2次式)$=0$ の形に変形できる方程式のことをいいます。2次方程式を成り立たせる文字の値を、その方程式のといい、2次方程式の解を全て求めることを、2次方程式を解くといいます。2次方程式の解法は大きく (1) 因数分解を利用した解法 (2) 平方根の考え方を利用した解法 (3) 解の公式を利用した解法 があります。どの方法で解いても解は同じになるので、式の形によって、どの方法で解くのが良さそうかを判断しましょう。以下、それぞれの解法についてみていきます。

因数分解を利用いた解法:2次方程式の左辺が因数分解してあって、右辺が $0$ のときには、左辺の因数の一方を $0$ にする $x$ の値は解になります。つまり、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の左辺が因数分解できるときには「$AB=0$ ならば $A=0$ または $B=0$」ということを利用して2次方程式を解くことができます。例えば $(x-2)(x-3)=0$ を解くと、$(x-2)=0$,$(x-3)=0$ となる $x$ が解であるから、方程式の解は $x=2,3$ となります。

平方根の考え方を利用した解法:$ax^2+c=0$ の形をした2次方程式は、平方根の考えを使って解くことができます。例えば $x^2-9=0$ という方程式は $x^2=9$ と変形でき $x$ が $9$ の平方根であることを示しており $x=±3$ と解くことができます。ここで $x=±3$ は $x=3,-3$ をまとめて示しています。次に $(x+a)^2=c$ の形をした2次方程式は、括弧の中をひとまとまりのものとみることで、平方根の考えを利用して解くことができます。例えば $(x-2)^2-3=0$ という方程式は $(x-2)^2=3$ と変形でき $x-2$ が $3$ の平方根であることを示しており $x-2=±\sqrt{3}$ となり $x=2±\sqrt{3}$ として解くことができます。最後に $x^2+px+q=0$ の形をした2次方程式についても、平方根の考えを使って解くことができます。この解法については、次の内容で説明する「2次方程式の解の公式」の導出過程と同じ計算によって解くことができるので、そちらを参考に理解を深めましょう。

解の公式を利用した解法:2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解が解の公式 $x=\frac{-b± \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ となることを証明します。

\begin{eqnarray}
ax^2+bx+c &=& 0 \\
x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a} &=& 0 \\
x^2+\frac{b}{a}x &=& -\frac{c}{a} \\
x^2+\frac{b}{a}x+\left( \frac{b}{2a} \right)^2 &=& -\frac{c}{a}+\left( \frac{b}{2a} \right)^2 \\
\left( x+\frac{b}{2a} \right)^2 &=& -\frac{4ac-b^2}{4a^2} \\
x+\frac{b}{2a} &=& ±\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}} \\
x &=& -\frac{b}{2a}±\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \\
x &=& \frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}
\end{eqnarray}

上記の計算の結果、解の公式が導かれます。

ポイントは、一般に $x^2+px$ という式を $(x+A)^2$ のような平方の形にするには $x$ の係数 $p$ の $\frac{1}{2}$ の2乗である $\left( \frac{p}{2} \right)^2$ を加えればよいという点です。つまり $x^2+px+\left( \frac{p}{2} \right)^2$$=\left( x+\frac{p}{2} \right)^2$ となることを理解した上で計算しましょう。

2次方程式を解くときに毎回この計算をするのは効率的でないため、解の公式は暗記してしまうのが間違いなく便利です。例えば $2x^2-2x-1=0$ を解の公式を使って解くと、解の公式に $a=2,b=-2,c=-1$ を代入すると

\begin{eqnarray}
x &=& \frac{-(-2)±\sqrt{(-2)^2-4\times 2 \times (-1)}}{2 \times 2} \\
x &=& \frac{2±\sqrt{4+8}}{4} \\
x &=& \frac{2±\sqrt{12}}{4} \\
x &=& \frac{2±2\sqrt{3}}{4} \\
x &=& \frac{1±1\sqrt{3}}{2}
\end{eqnarray}

したがって $x = \frac{1±1\sqrt{3}}{2}$ と解くことができます。

要点

2次方程式の解法①
(1) 因数分解を利用して解く。

例 

($x-a)(x-b)=0$ の解 $\to$ $x=a,b$

 
2次方程式の解法②
(1) $x^2=k (k≧0)$ の解 $\to$ $x=± \sqrt{k}$
(2) $(x+m)^2=k(k≧0)$ の解 $\to$ $x=―m± \sqrt{k}$

解の公式
$ax^2+bx+c=0$ の解 $\to$ $x=\frac{-b± \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$
解の係数の関係
$ax^2+bx+c=0$ の解を $\alpha, \beta$ とすると $\alpha+\beta=-\frac{b}{a}$, $\alpha \beta=\frac{c}{a}$ が成り立つ。この結果は解の公式から計算できる。

2次方程式の利用

この節では2次方程式を利用して問題を解決する方法について考えます。2次方程式を利用した問題解決の手順としては (1) どの数量を文字を使って表すかを決める。 $\to$ (2) 数量の間の関係をみつけて方程式をつくる。 $\to$ (3) 2次方程式を解く。 $\to$ (4) 得られた解が問題に適しているかを確かめる。というステップを踏むことで問題を解決することができます。2次方程式の本代解決への利用範囲は非常に広いので、様々な問題に触れ、どのように利用すればいいのかを十分に練習しましょう。

2次方程式の解の個数:2次方程式には解が2つのものと1つ(重解:$(x-2)^2=0$ のような場合)のものと実数の解を持たないもの($x^2+1=0$ のような場合)があります。その解の個数について、2次方程式の解の公式から考えることができます。2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は $\to$ $x=\frac{-b± \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ であるため、この式の根号の中の値によって、解の個数が分かります。$b^2-4ac > 0$ のときには解は2つ、$b^2-4ac = 0$ のときには解は1つ、$b^2-4ac < 0$ のときには実数解は0ことなります。この $b^2-4ac$ は判別式とも呼ばれます。

要点

変数 $x$ を使って式をつくる
(1) 等しい2つの量を見つける。

例 

連続する2つの正の奇数の積が$35$となる2つの整数を求める。2つの奇数は $2x-1$, $2x+1$ と表現できる。これと$35$が等しいのだから
\begin{eqnarray}
(2x-1)(2x+1) &=& 35 \\
4x^2-1 &=& 35 \\
4x^2 &=& 36 \\
x^2 &=& 9 \\
x &=& ±3 \\
\end{eqnarray}
となる。求めるのは正の整数なので問題に合う解は $x=3$ となり $5,7$ が答えとなる。
(2) 1つの数量を2通りに表す。

用いる関係式の例:道のり $=$ 速さ $\times$ 時間, 直方体の体積 $=$ 縦 $\times$ 横 $\times$ 高さ
これらの等しい数量を2通りで表現することで求めたい数(解)を計算することができる。

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著者紹介 旧帝大学生。自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学など、および学際的な研究領域に興味があります。

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