2章:平方根

各種SNSで記事を共有

🔄 最終更新日 2019年12月11日 by takara_semi

中3 > 2章:平方根

本章では、$2$ 乗して $a$ になる数やその計算について学びましょう。過去には「禁じられた悪魔の数」とされた歴史もある平方根の利便性と奥深さを垣間見れることでしょう。

平方根

本節では平方根の考え方をみていきます。まず、$2$ 乗して $5$ になる数とはどのような数でしょうか。つまり $x^2=5$ となるような $x$ の値です。この $x$ を小数で表現すると $2.2360679…$ となり、限りなく続く小数になります(このような、現れる数にパターンがなく、無限に続く小数を無理数といいます。また $a$ を整数 $b$ を $0$ でない整数としたとき $\frac{a}{b}$ で表現できる数は有理数といいます。つまり $3=\frac{3}{1}, 0.1=\frac{1}{10}, \sqrt{9}=3$ などは有理数で $\sqrt{2}, \sqrt{3}, \pi$ などは無理数であるといえます)。この数を根号とよばれる記号 $\sqrt{ }$ を用いて $\sqrt{5}$ と表し「ルート $5$」と読みます(「root,radix:根」の頭文字「r」が起源との説があります)。一般に、ある数 $x$ を $2$ 乗すると $a$ になるとき $x$ を $a$ の平方根といいます。例えば $2,-2$ は $2$ 乗すると $4$ になるため $2,-2$ は $4$ の平方根だといえます。このように、正の数には平方根が2つのあり、絶対値が等しく符号が異なります( $4$ の平方根は $\sqrt{4}=2,-\sqrt{4}=-2$ の2つ)。また $0$ の平方根は $0$ のみ( $\sqrt{0}=0$ )であり、負の数の平方根は考えません(厳密には高校数学で虚数という概念を学習すれば扱うことができます)。 また平方根の大小関係は $a,b$ が正の数で $a < b$ ならば $\sqrt{a} < \sqrt{b}$ という関係が成り立ちます。例えば $0.1$ と $0.01$ の平方根の大小は $\sqrt{0.01} < \sqrt{0.1}$($0.1 < \sqrt{0.1}$) となります。平方根の基本的な性質や概念を理解し、数の世界の広がりを感じましょう。

※ 平方根とは2乗してもとの数になるものをいいます。なので2乗して $9$ になる数は $3$ と $-3$ の2つが考えられ $9$ の平方根は $±\sqrt{9}=±3$ と表現をします。一方で、ルート $\sqrt{ }$ という記号は正の数を表すものなので $\sqrt{9}=3$ となります。負の数を表現するときは $-\sqrt{9}=-3$ となります。平方根を答えなさい、という場合と、計算の記号としての根号とを、きちんと区別して正しく答えられるように理解しましょう。

要点

(1) $a$の平方根 $\to$ 2乗(平方)すると$a$になる数。$x^2=a$ を満たす $x$ の値のこと。
(2) 正の数の平方根 $\to$ 正・負の2つ。
(3) 0の平方根 $\to$ 0
(4) 負の数の平方根 $\to$ ない。(※ 厳密には高校数学で虚数というものを学習する)
(5) $a > 0$ のとき $a$ の平方根 $\to$ 正の方を $\sqrt{a}$ 負の方を $-\sqrt{a}$と表す。
(6) $a > 0$ のとき $(\sqrt{a})^2=a$, $(-\sqrt{a})^2=a$, $\sqrt{a^2}=a$, $\sqrt{(-a)^2}=a$
(7) $a > 0$, $b > 0$ のとき $a < b \iff \sqrt{a} < \sqrt{b}$ 

平方根の近似値の覚え方
$\sqrt{2}≒1.41421356$ $\to$ 一夜一夜に 人見ごろ
$\sqrt{3}≒1.7320508$ $\to$ 人なみに おごれや
$\sqrt{5}≒2.2360679$ $\to$ 富士山ろく オウム鳴く
$\sqrt{6}≒2.44949$ $\to$ 似よ よくよく
$\sqrt{7}≒2.64575$ $\to$ (菜) に虫いない

数学が面白くなる動画―15 

禁じられた数字。平方根は悪魔の数?

有理数と無理数
(1) 有理数 $\to$ 分数の形で表現できる数。

例 

$\frac{1}{3}, 0.13$($=\frac{13}{100}$ と表現できる)

 
(2) 無理数 $\to$ 分数の形で表現できない数。循環しない無限小数。

例 

$\sqrt{2}, \pi$
 

 

数学が面白くなる動画―16 

平方根が決して分数で表現できない無理数であるということを証明できますか?

根号を含む式の計算

本節では、根号を含む計算の方法について考えてみましょう。平方根の積と商は $a,b$ を正の数とするとき (1) $\sqrt{a} \times \sqrt{b}$$=\sqrt{a} \sqrt{b}$$= \sqrt{ab}$ (2) $\sqrt{a} \div \sqrt{b}$$= \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}$$= \sqrt{\frac{a}{b}}$ と計算できます。計算の結果、根号を使わずに表すことができる部分は、根号を使わずに表します($\frac{\sqrt{198}}{\sqrt{11}}$$=\sqrt\frac{198}{11}$$=\sqrt{18}$$=\sqrt{2 \times 3^2}$$=3\sqrt{2}$)。根号の中の数を素因数分解することで、根号の外に出す数を見つけやすくなります。

続いて、分数の計算をやりやすくするため「分母に根号がある数の分母を整数に直す方法」について考えてみましょう。分母に根号がある数は、分母分子に同じ数をかけることで、分母に根号がない形に直すことができます。例えば $\frac{\sqrt{5}}{2\sqrt{3}}$$=\frac{\sqrt{5} \times \sqrt{3}}{2\sqrt{3} \times \sqrt{3}}$$=\frac{\sqrt{15}}{2 \times 3}$$=\frac{\sqrt{15}}{6}$ のように計算します。このように、分母に根号がない形に直すことを分母を有理化するといいます。少し複雑な有理化の例としては $\frac{c}{\sqrt{a} + \sqrt{b}}$ のような式を有理化する方法を考えると、この場合、分母分子に $\sqrt{a} – \sqrt{b}$ をかけることで、乗法公式で学習した $(a+b)(a-b)$$=a^2-b^2$ の形を分母に作ることができ、根号をなくすことができます。先の例では $\frac{c}{\sqrt{a} + \sqrt{b}}$$=\frac{c(\sqrt{a} – \sqrt{b})}{(\sqrt{a} + \sqrt{b})(\sqrt{a} – \sqrt{b})}$$=\frac{c(\sqrt{a} – \sqrt{b})}{a-b}$ となり、分母を有理化することができます。

最後に、根号を含む式の加減についてみていきましょう。例えば $\sqrt{5}+\sqrt{3}$ という式はこれ以上簡単にすることはできません(この式自体が1つの数を表しています)。一方で、例えば $7\sqrt{5}+2\sqrt{5}$ という式は、同じ数の平方根を含んだ式を同類項としてまとめて簡単にすることができます。先の例では $7\sqrt{5}+2\sqrt{5}$$=(7+2)\sqrt{5}$$=9\sqrt{5}$ となります。平方根を含む数の計算は、演習を繰り返して慣れておけば、決して困難なものではありません。ひとつずつ知識を整理し、着実に身に付けていきましょう。

※ 根号を含むの計算問題では、計算結果に (1) 根号の中の数に2乗の因数はないか(根号の外に出せる数はないか) (2) 分母に根号がないか(有理化できているか)を必ず確認しましょう。

要点

平方根の乗法・除法:以下 $a > 0$, $b > 0$, $k > 0$ とする。

例1 

$\sqrt{a} \times \sqrt{b}=\sqrt{ab}$

例2 

$\sqrt{k^2a}=k\sqrt{a}$

例3 

$\frac{\sqrt{b}}{\sqrt{a}}=\sqrt{\frac{b}{a}}$

例4 

$\sqrt{\frac{a}{k^2}}=\frac{\sqrt{a}}{k}$

根号をふくむ式の加減:

例1 

$\ell \sqrt{a} + m \sqrt{a}=(\ell + m)\sqrt{a}$

例2 

$\frac{1}{\sqrt{a}}=\frac{\sqrt{a}}{a}$ (分母分子に $\sqrt{a}$ を掛ける)

式の値: 式を変形して計算が簡単になる場合がある。

例 

$a=\sqrt{3}+\sqrt{5}$, $b=\sqrt{3}-\sqrt{5}$ のとき $a^2-b^2$ の値を求める。この場合そのまま式に値を代入するのではなく先に式を変形する。
\begin{eqnarray}
a^2-b^2 &=& (a+b)(a-b) \\
&=& 2 \sqrt{3} \times 2 \sqrt{5} \\
&=& 4 \sqrt{15}
\end{eqnarray}
となる。

>>目次に戻る

各種SNSで記事を共有
takara_semi
著者紹介 旧帝大学生。自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学など、および学際的な研究領域に興味があります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: