2章:連立方程式

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🔄 最終更新日 2019年12月11日 by takara_semi

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中学1年では1つの文字の方程式を解けるようになりました。本章では、2つの文字をふくむ方程式について、その解き方や、その方程式を利用した問題解決の方法について学びましょう。扱える文字が1つ増えるだけで、解ける問題の幅は格段に広がります。連立方程式を、まるでパズルや暗号を解くかのように、楽しみながら解いていきましょう。

連立方程式

本節では2つの文字をふくむ方程式について考えてみましょう。例えば $x+y=5$ のような2つの文字をふくむ1次方程式を2元1次方程式といいます。1年で解けるようになった $x+3=9$ のような式は、詳しくは1元1次方程式(ふつうは単に1次方程式)といいます。また、2元1次方程式を成り立たせる文字の値の組を、2元1次方程式のといいます。先の例 $x+y=5$ では例えば $x=1, y=4$ や $x=-\frac{1}{2}, y=\frac{11}{2}$ 等の値の組が解となります。さらに2つ以上の方程式を組み合わせたものを連立方程式といいます。例えば
\begin{cases}
{}
x + y = 5 \ ―①& \\
2x + 3y = 12 \ ―②&
\end{cases}
のようなものを連立方程式という。また、組み合わせたすべての方程式を成り立たせる文字の値の組を、連立方程式のといい、解を求めることを連立方程式を解くといいます。先ほどの例では $x=3, y=2$ がすべての式①②を満たす解だといえます($x,y$ の値の組を2つの式に代入してどちらも成り立つかどうかを調べれば解かどうかを確かめることができます)。連立方程式を解く方法は大きく2つあります。1つ目は加減法です。文字 $x,y$ をふくむ2つの方程式から、そのどちらかをふくまない1つの方程式をつくることを、変数を消去するといいます。どちらかの文字の係数の絶対値をそろえ、左辺どうし、右辺どうしを加えたり引いたりすることで、その文字を消去して解く方法を「加減法」といいます。片方の文字が消去された、1つの文字のみをふくむ方程式であれば、1年に習得した1次方程式の計算方法で解を求めることができます(加減法の詳しい計算方法は以下要点中の計算例を確認してください)。2つ目は代入法です。与えられた2つの式のうちの一方の式を、他方の式に代入することによって文字を消去して解く方法を「代入法」といいます(代入法の詳しい計算方法も以下要点中の計算例を確認してください)。このように、連立方程式の解き方には加減法と代入法の2つがありますが、どちらも「1つの文字を消去して解く」ということに変わりはなく、与えられた連立方程式の形に応じて、計算が楽になりそうな解法を自由に選んで解けばいいのです(問題に指定がなければですが)。「連立方程式を解ける」という力は、数学だけでなく物理や化学など、様々な学問領域を理解するための強力な武器になります。練習問題を解いて、確かな力として着実に身に着けていきましょう。

要点

連立方程式の解き方:次の手順で解く。
(1) まず文字を消去して1つの文字だけの方程式を導く。$\to$ 加減法・代入法
(2) 得られた方程式を解いて1つの文字の値を求める。
(3) もう一方の文字の値を求める。
例1)次の連立方程式を解く(加減法)。
\begin{cases}
{}
2x + 4y = 10 \ ―①& \\
x + 3y = 6 \ ―②&
\end{cases}
$② \times 2$より
\begin{cases}
{}
2x + 4y = 10 \ ―①& \\
2x + 6y = 12 \ ―②’&
\end{cases}
$①-②’$ を計算する
\begin{eqnarray}
2x+4y &=& 10 \\
-) \ 2x+6y &=& 12 \\
\hline\\
-2y &=& -2\\
y &=& 1\\
\end{eqnarray}
この結果を $②$ に代入すると $x=3$ が得られる。よって解は $x=3, y=1$

例2)次の連立方程式を解く(代入法)。
\begin{cases}
{}
2x + 4y = 10 \ ―①& \\
x + 3y = 6 \ ―②&
\end{cases}
$②$より
\begin{equation}
x=6-3y \ ―②’
\end{equation}
$②’$を$①$に代入すると
\begin{eqnarray}
2(6-3y)+4y &=& 10 \\
-2y &=& -2 \\
y &=& 1
\end{eqnarray}
この結果を $②$ に代入すると $x=3$ が得られる。よって解は $x=3, y=1$

いろいろな連立方程式
例1)分数や小数をふくむ連立方程式:
\begin{cases}
{}
0.1x + y = 0.2 \ ―①& \\
\frac{x+5y}{3} = \frac{1}{2} \ ―②&
\end{cases}
係数が全て整数になるよう変形する。$① \times 10$, $② \times 6$より
\begin{cases}
{}
x + 10y = 2 \ ―①’& \\
2x + 10y = 3 \ ―②’&
\end{cases}
$①’-②’$ を計算する
\begin{eqnarray}
x+10y &=& 2 \\
-) \ 2x+10y &=& 3 \\
\hline\\
-x &=& -1\\
x &=& 1\\
\end{eqnarray}
この結果を $①’$ に代入すると $y=\frac{1}{10}$ が得られる。よって解は $x=1, y=\frac{1}{10}$

例2)等式の形で表現された連立方程式:
連立方程式 $2x+y=x+3y=2$ を解く。$2x+y$ も $x+3y$ も $2$ と等しいことから、次のような連立方程式をつくることができる
\begin{cases}
{}
2x + y = 2 \ ―①& \\
x + 3y = 2 \ ―②&
\end{cases}
$②$より
\begin{equation}
x=2-3y \ ―②’
\end{equation}
$②’$を$①$に代入すると
\begin{eqnarray}
2(2-3y)+y &=& 2 \\
-5y &=& -2 \\
y &=& \frac{2}{5}
\end{eqnarray}
この結果を $②$ に代入すると $x=2-3 \times \frac{2}{5}$$=2-\frac{6}{5}$$=\frac{4}{5}$ が得られる。よって解は $x=\frac{4}{5}, y=\frac{2}{5}$

例3)3つの文字をふくむ連立方程式:
文字が増えても、同じように文字を消去して解く。
\begin{cases}
{}
x + y +z = 2 \ ―①& \\
x + 3y +2z = 3 \ ―②& \\
2x – y + z = 0\ ―③&
\end{cases}
$③$より
\begin{equation}
z=y-2x \ ―③’
\end{equation}
$③’$を$①②$に代入すると
\begin{cases}
{}
x + y +(y-2x) = 2 & \\
x + 3y +2(y-2x) = 3 & \\
\end{cases}
計算すると
\begin{cases}
{}
-x + 2y = 2 \ ―①^{\prime}& \\
-3x + 5y = 3 \ ―②^{\prime}& \\
\end{cases}
$①^{\prime}$より
\begin{equation}
x=2y-2 \ ―①^{\prime \prime}
\end{equation}
$①^{\prime \prime}$を$②^{\prime}$に代入すると
\begin{eqnarray}
-3(2y-2) + 5y &=& 3 \\
6-y &=& 3 \\
y &=& 3
\end{eqnarray}
この結果を $①^{\prime \prime}$ に代入すると $x=2 \times 3-2$$=6-2$$=4$ が得られる。さらにこれらの結果を $③’$ に代入すると $z=3-2 \times 4$$=3-8$$=-5$
よって解は $x=4, y=3, z=-5$

連立方程式の利用

本節では、連立方程式を利用した問題解決について考えます。一般的な手順として(1)どの数量を文字を使って表すかを決める $\to$ (2)数量の間の関係を見つけて2つの方程式を作る $\to$ (3)連立方程式をつくり解を求める $\to$ (4)解が問題に適しているか確かめる、の順に考えることで、答えを求めることができます。与えられた問題にあった連立方程式を自分でつくり、その連立方程式を解くことで、さまざまな問題を解決しましょう。

要点

連立方程式の利用
(1) 連立方程式をつくる。$\to$ 連立方程式を解く。
(2) 問題の解を求める。$\to$ 連立方程式の解が問題に適しているか調べる。

問題の種類による計算方法
(1) 代金の問題:代金 $=$ 単価 $\times$ 個数 (※買い物や入園料などの身近な合計代金に関する問題で利用)
(2) 利益の問題:売価 $―$ 原価 $=$ 利益
(3) 速さの問題:道のり $=$ 速さ $\times$ 時間(※距離・速度・時間に関する図を描いて式をつくると間違えにくい。また単位をそろえること)
(4) 濃度の問題:食塩水の濃度(%) $=$ $\frac{食塩の重さ}{食塩水の重さ} \times 100$
(5) 割合の問題:(※生徒数や値段の定価を求める問題などで利用)
$\to$ $b$ は $a$ の $c$ %増 $b=a \times \left( 1+\frac{c}{100} \right)$
$\to$ $d$ は $a$ の $c$ %減 $d=a \times \left( 1-\frac{c}{100} \right)$
(6) 整数の問題:
$\to$ 2桁の自然数 $10a+b$ $(a \neq 0)$
$\to$ 3桁の自然数 $100a+10b+c$ $(a \neq 0)$ ( $a,b,c$ は $0$ から $9$ までの整数)

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著者紹介 旧帝大学生。自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学など、および学際的な研究領域に興味があります。

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