超少子高齢化社会を生きる。仮想三世代世帯の提案。

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🔄 最終更新日 2018年10月2日 by takara_semi

超少子高齢化社会

日本の抱えている喫緊の課題として少子高齢化問題があります。その結果、日本の急激な人口減少と、それに伴う労働力不足が深刻化しており、外国人労働者を増やす「骨太方針」も話題になっています。今回は、外国人労働者に頼ることのない、根本的な少子高齢化対策方針を模索し考察します。

日本の人口構造の変化として、現在1人の高齢者を2.6人で支えている社会構造となっているのが、少子高齢化が一層進行する2060年には1人の高齢者を1.2人で支える社会構造になると想定されています。このままでは、国の負担する医療費や介護関係業務従事者への負担の増大や、高齢社会を支える現役労働者数の減少などの問題に直面することは容易に想像できます。少子高齢化問題は、日本が世界に先立って直面しており、かつ重大な解決すべき課題だと言えます。

核家族家庭や一人暮らしの増加

数十年前の日本は、夫婦とその親、子供が生活を共にする「三世代世帯」が多数を占めていました。しかしながら現在は、仕事や社会の多様化に伴い核家族化が進み、それぞれが別居する形が年々増加しています。核家族世帯では、育児の夫婦間の負担が大きくなり、女性が子供の出産後に働き続けることが困難になるケースが多いのが現状です。これでは安心して子供を産み育てることができず、子供を産むことに対して消極的になってしまいます。そうして若者の人口が減少の一途をたどり、日本全体としての深刻な労働力不足に陥ってしまいます。

日本政府が取り組む一つのアプローチとして、現役労働者数を増やすために働き盛りの外国人技術者を国内に呼び込む「新しい永住権制度」の導入が検討されています。これは、在留期間などの一定の条件を満たせば労働者とその家族の永住権を申請できるというもので、本制度によって、優秀な外国人技術者が日本国内で多く働くようになれば、高齢社会を支える働き手が増え、一時的に住みよい社会が形成される可能性は十分にあります。そして、長時間労働から解放された一部の富裕層は、子供を産み育てることに積極的になるかもしれません。しかしながら、本政策は、日本の少子高齢化問題の根本的な解決にはつながらないのではないでしょうか。

仮想三世代世帯

三世代世帯のメリットとして「育児の担い手が多い」「子供の精神的な成長に役立つ」などの意見がある一方で、デメリットとしては「プライバシーが保てない」「生活リズムが合わない」という意見も多くあります。しかしこの「育児の担い手が多い」というメリットは、大変魅力的なもので、三世代世帯を現代日本の暮らしに合わせた形で増加させることができれば、金銭や時間的余裕などに関係なく、より多くの家庭で積極的な子育てが進められるようになるのではないでしょうか。

そこで個人的な一提案として、別宅に暮らす親族や知人による育児代替を可能とする託児ネットワークの構築を考えます。遠隔操作コミュニケーションメディアを用いて、簡単かつ親密に託児先の相手や子供とコミュニケーションができるシステムを普及させることによって、プライバシーや生活リズム等の問題が生じない「仮想三世代世帯」が実現するのではないでしょうか。まだまだ爪が甘く、机上の空論ではありますが、このような託児ネットワークシステムが、新たな保育インフラとして、今の日本には必要なのではないでしょうか。いずれにせよ、育児の負担を軽減・分散するための保育インフラの整備が必須であることは間違いないでしょう。

新たな育児環境を整備することで子供が増え、将来的に高齢者を支える負担が分散され、高齢者や彼らを支える人々が健康な暮らしを手に入れやすくなります。そうするとまた、育児協力者が子育てに掛けられる時間が増え、夫婦の負担が減ります。そうして「育児の正の循環」が生まれることによって、少子高齢化問題の抜本的な解決が期待できるのではないでしょうか。

医工連携による研究開発

また、超少子高齢化社会を生き抜くための他のアプローチとして、医工連携の研究開発も欠かせません。医療、ロボット技術ともに世界の最先端を行く日本の研究機関がより一層協力しやすい基盤が整備されれば、医工連携技術の革新につながります。そのイノベーションは、高齢化社会の生活の質を向上させ、健康寿命を延ばし、医療費の大幅な低下にもつながり得ることでしょう。

またロボット技術の革新は、育児支援にとどまらず、代替可能な作業の拡大による現役労働者人口減少の問題の解決にもつながります。これらの技術革新の相互作用により、少子高齢化問題は解決へと向かうことだと思います。

今の日本のニーズは何でしょうか。先に述べたとおり日本は今、深刻な少子高齢化問題に直面しています。さらに本問題は今後世界各国で生じるであろう問題でもあります。このような重大で巨大な市場(ニーズ)が、今の日本には確かに存在しています。モチベーションをなくしていた「失われた20年」に完全なる終止符を打つべく「少子高齢化問題の解決」を国を挙げてのモチベーションとして焦点を絞ることで、医工連携と持続可能な保育インフラの整備を軸に、経済および技術水準、双方の向上を図る必要があるのではないでしょうか。

<参考文献>
[1] 総務省「国勢調査」及び「人口推計」,国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24年 1 月推計)」(Web) 
[2] Garbagenews.com.(Web)
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takara_semi
著者紹介 旧帝大学生。自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学など、および学際的な研究領域に興味があります。

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