2章:集合と命題

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🔄 最終更新日 2021年5月15日 by takara_semi

第2章 集合と命題

本章では「集合」「命題と条件」「命題と証明」について学習する.

第1節:集合


集合の表し方
集合の表し方は次の通りである.
(a) { }の中に要素を書き並べて表す.例)$A = \{1,2,4,8\}$
(b) 要素が満たすべき条件を書いて表す.例)$A = \{x | xは8の正の約数\}$

集合と集合,集合と要素の関係を表す記号は以下の通りである.

集合に関する記号①

(i) $x \in A$ ($x$は$A$に属する):$x$が集合$A$の要素である
(ii) $x \notin A$:$x$が集合$A$の要素でない
(iii) $A \subset B$ ($A$は$B$の部分集合):集合$A$のすべての要素が集合$B$の要素でもある
(iv) $A=B$ ($A$と$B$は等しい):集合$A$と$B$の要素がすべて一致している
(v) $\emptyset$(空集合):要素が$1$つもない集合

共通部分と和集合
共通部分と和集合は以下のように表される.

集合に関する記号②

(vi) $A \cap B$ ($A$と$B$の共通部分):集合$A$, $B$のどちらにも属する要素全体の集合
(vii) $A \cup B$ ($A$と$B$の和集合):集合$A$, $B$の少なくとも一方に属する要素全体の集合

$3$つの集合の共通部分と和集合についても,同様に考えることができる.
(vi)’ $A \cap B \cap C$ (共通部分):集合$A$, $B$, $C$のすべてに属する要素全体の集合
(vii)’ $A \cup B \cup C$ (和集合):集合$A$, $B$, $C$の少なくとも1つに属する要素全体の集合

補集合
補集合は非常に重要な概念である.その意味と表し方は以下の通りである.

集合に関する記号③

(viii) $\overline{A}$ (補集合):全体集合$U$の部分集合$A$に対して$U$の要素で$A$には属さない要素全体の集合

また補集合に関する重要な定理としてド・モルガンの定理が知られている.

ド・モルガンの法則

(a) $\overline{A \cup B}$$=\overline{A} \cap \overline{B}$
(b) $\overline{A \cap B}$$=\overline{A} \cup \overline{B}$


第2節:命題と条件


命題と条件
正しい (真) か正しくない (偽) かが定まる文や式を「命題」といい,文字($x$など)を含んだ文や式を$x$に関する「条件」という.条件を考える場合,条件に含まれる文字がどんな集合の要素かをはっきりさせておく.この集合を,その条件の「全体集合」という.

命題$p⇒q$
(i) 命題 $p⇒q$ は,「$p$を満たすものはすべて$q$を満たす」 ということを表す.$p$を仮定,$q$を結論という.
(ii) 条件$p$を満たすもの全体の集合を$P$,条件$q$を満たすもの全体の集合を$Q$とするとき,「命題$p⇒q$が真である」 と 「$P \subset Q$ が成り立つ」 とは同じことである.
(ii) 偽である命題$p⇒q$において,$p$を満たすが$q$を満たさないものを反例という.命題が偽であることを示すには,反例を 1つだけあげればよい.

必要条件・十分条件
必要条件と十分条件は以下のように説明される.

必要条件と十分条件

$2$つの条件$p,q$について,命題$p⇒q$が真であるとき

$q$は$p$であるための「必要条件」である
$p$は$q$であるための「十分条件」である

さらに,$2$つの条件$p,q$について,$p⇔q$($p⇒q$かつ$q⇒p$)が成り立つとき,$p$と$q$は「同値」であるという.このとき$q$は$p$であるための($p$は$q$であるための)「必要十分条件」であるという.

否定
条件$p$に対して,「$p$でない」 という条件を$p$の「否定」といい,$\overline{p}$で表す.
また条件&p$,$q$に対して,次が成り立つ(ド・モルガンの法則と同じ考え方).

「かつ」「または」の否定

$\overline{pかつq}$$⇔\overline{p}または\overline{q}$
$\overline{pまたはq}$$⇔\overline{p}かつ\overline{q}$

第3節:命題と証明


命題の逆・対偶・裏
命題$p⇒q$に対して:
(a) $q⇒p$ を $p⇒q$ の「逆」
(b) $\overline{q}⇒\overline{p}$ を $p⇒q$ の「対偶」
(c) $\overline{p}⇒\overline{q}$ を $p⇒q$ の「裏」

また,命題の真偽について以下のことがいえる.

命題の真偽

(i) もとの命題が真であっても,その逆が真であるとは限らない.
(ii) 命題 $p⇒q$ とその対偶 $\overline{q}⇒\overline{p}$ の真偽は一致する.

対偶を利用した証明
命題 $p⇒q$ を証明するために,その対偶 $\overline{q}⇒\overline{p}$ を証明してもよい(真偽が一致するため).

背理法を利用した証明
命題が成り立たないと仮定し,その矛盾を導くことにより,もとの命題が真であると結論付けることができる.このような証明方法を「背理法」といい,非常に強力な証明方法の一つである.

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takara_semi
著者紹介 旧帝大卒.自然科学/社会学/教育学/健康増進医学/工学/数学などの分野、および学際的な研究領域に興味があります.

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